日々のモノゴト

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コミュニティにおける「風の人」と「土の人」

2016年5月、ぼくはジャーナリストキャンプというイベントで「5年前の石巻」をテーマにした記事を書きました。その時に知った「風の人と土の人」について書きます。

みなさんは「風土」という言葉をご存知でしょうか。「風土」とは地域の特色をあらわす言葉ですが、その言葉の通り地域には「風の人」と「土の人」がいるといわれています。

土の人とは、その土地に根付いた人々のことです。古くからその土地に住んでおり、地域を支える存在です。一方、風の人は外からその土地を訪れる人々のことです。風の人はその場所にとどまらず、外から新しい知識を持ち込む存在です。

土の人だけでは固定概念やしがらみによって変化を起こしづらいですし、風の人だけではアイデアを具体化して育てることができません。土の人と風の人があわさって、地域の特色である「風土」がつくられるのです。

これは地域コミュニティに関する言葉ですが、地域以外のコミュニティでも同じことが言えると思います。例えば、僕が所属しているコルクラボでは「コミュニティづくりにはメンバーの安全安心の確保が重要」だと考えています。これは安心安全を確保してから、コミュニティを拡大・熱狂させるほうが安定するという意図です。

この流れ自体は正しいと思うのですが、安全安心の確保とコミュニティの拡大は相反する場面があります。より少数の方が安全安心は確保しやすいため、人数を増やしてコミュニティを拡大させることは既存メンバーの安全安心を脅かすことになるからです。

ここで重要になるのは「風の人」と「土の人」の考え方です。新しい挑戦を続けたいのであれば「土の人」だけではコミュニティは成り立ちません。外からくる「風の人」の考え方をうまく受け入れながら、風の人と土の人がコミュニティの風土をつくるのだと思います。

言葉でいうのは簡単ですが、実際に風の人と土の人が分かり合うのは難しいことです。風の人の考え方は異質で、土の人から受け入れがたいものかもしれません。しかし、相互理解の中からゆるやかに新しい変化が生まれるのだと思います。これは地域だけではなく、会社などのコミュニティでも同じことではないでしょうか。

ちなみに冒頭で紹介したジャーナリストキャンプで書いた記事は、まさに「風の人と土の人」をテーマにした記事でした。もう2年が経ちますが、いまコミュニティづくりを考えるうえでも凄く良い体験だったなと思います。最後に記事を貼っておきます。

headlines.yahoo.co.jp

なお、「風の人と土の人」は下記の本で知りました。地域コミュニティで起きていることは、それ以外のコミュニティづくりにおいても凄く参考になると思います。興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

地域ではたらく「風の人」という新しい選択

地域ではたらく「風の人」という新しい選択