正しさに関する、とりとめのない話
「ああ言えばこう言うなぁ」と昔から母親に言われていた。正しそうなことを言うのは気持ちが良いものだ。
世の中のモノゴトは、よく観察すれば白だか黒だかあいまいなことが多いけれど、表面だけみていれば、一見正しそうなことは比較的簡単に言える。
そもそも、本当に正しいことや上手く回っている仕組みは見えづらく、これは間違っていると非難できることの方が目に付きやすい。
気に入らないことがある度、正しい風なことを言って場を乱していた。そんな自分に嫌気がさし始めた学生時代に『祝婚歌』という詩に出会った。『祝婚歌』は、よく結婚式のスピーチに使われるらしい。最初から最後まで良い言葉なのだけど、正しさに関する部分が胸に残る。
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
(吉野弘『祝婚歌』より一部引用)
何が正しいかは、状況や視点で変わるし、白と黒で割り切れないことの方が多い。心理学者のフロイトは、『大人になるということは、あいまいさを受け入れる能力を持つということ』だと言っている。処世術のようだけど、モノゴトの内部にある曖昧さに目を向けられる人になりたい。
そして、自分が正しいと思ったことを、少しひかえめに言えるひとでありたい。
とりとめのない話
すごく素敵なデザインテーマが公開されたので、ブログをはじめます。
凝ったデザインも良いですが、真っ白くてシンプルなデザインも好きです。なんだか白いキャンパスみたいで、何を書くかはその人次第みたいな。わくわくするテーマです。自分のことを書くのは気恥ずかしさがありますが、とりとめのない話を書こうと思います。